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「チャーシュメン650円+冷蔵庫のビール」@喜楽の写真8/30/09
◆三遊亭小遊三師匠の里
◆普通のラーメン賛歌・・普通を継続する偉大さ

時計は18:00を回っている。
深い谷あいにある町、鳥沢。
駅に降り立つ。
駅の灯り以外には何も見えない。

小さな駅前の広場には数台のタクシー。
数人の運転手さんが小さな灯りの下で歓談している。
国道20号線を渡り、まっすぐ山に向かって登る道を行ってみる。
道には街灯一つ無い暗がり。
『本当にこんな所にラーメン屋があるのだろうか?』


少し登ると、右手に大きめの駐車場。よく見ると10台以上の車が停まっている。
しかし、ラーメン屋さんは、ない。
暗い中、民家があり、部屋の中には人影がある。
近づいてみると、よく確認できないが、製麺機らしき陰が映っている。
玄関と思しきところは暗く、暖簾などない。
通りがかりの人に
『こちらはラーメン屋さんですか?』と、聞いてみる。
答えはPositiveだ。
左手に小さく入り口とある。
思いきって、扉を開けてみた。

薄暗い照明、そしてしゃべり声。
タバコの紫煙でむせそうになる。
煙の向こうでは10人位の地元のかたが宴会をしている。
その奥の部屋では人影があり、やはり宴会だろうか?
手前にテーブルが2つあり、一つは椅子も一つで、ラーメンとチャーハンがテーブルに置かれ食事中。
もう一つのテーブルには、パンチパーマのおじさんが新聞を広げているだけ。
店員の方はいない。

今日は宴会の日で、店はやっていないようだ。
今日はダメだな、と思わないKM。
しばらく同行者と共に、立ち尽くしていた。

パンチパーマのおじさんを見ると、目で合い席をうながされた。
西部劇で、知らない町の酒場に入った時のような光景。

おとなしく着席。

何も起きない。

『あそこで注文入れた方がいいよ』と、おじさん。
奥の厨房に出向き、自分で注文しないといけないらしい。
同行者が厨房に行ってくれたが、すぐ引き返して来た。
待て、とのことらしい。
これでは何も起きそうもない。不安だ。
おじさん、
『言ったほうがいいよ』と、再び忠告してくれる。
再度挑戦してくれた同行者。
ちゃんと麺硬めが通ったとのこと。

KMはこういう食堂に慣れているので、自分で冷蔵庫に行き、冷えたビール
を出し、厨房に『先に飲んでるよ』と伝える。
今日始めてのビール。グラスに注ぐ充実感。
ああ・・こういう食堂が自分に一番合ってるな。

おじさんの注文は出てこない。
『忘れてるかな』とただ笑って待っている。
新聞をたたみ、いろいろ話してくれる。

ラーメン、450円。
ちょっと前まで、350円だった、と残念そうだ。
40年前は40円で、そのころから、とにかくここのラーメンだそうだ。
チャーシューメンはチャーシューだけだが、ラーメンは分厚いチャーシュー2枚と、メンマやいろいろなものが入るから、お徳だそうだ。
2杯食べても1000円にならないと笑っている。
こちらはもともと肉屋さんで、コロッケ5円の立ち食いが最高であったそうだ。
いまでもメニューにコロッケがあり、キャベツにコロッケ2個つくそうだ。
どうやら、これが一番のおススメであることが、KMの直感で分かってしまった。
店のご主人の同級生が小遊三師匠で、実は大月とは、鳥沢のことであった。
なんだ、そうだったのか。
そういえば、笑点のカレンダーが下げてある。
肝心な情報はここに書かれていた。
定休日はだいたい月曜日。
正式にはカレンダーを赤く塗ってあるところだ。
昼は11:30から13:00位まで。夜はやっているとのこと。

意外に早く届けられた、650円の二人のちゃーしゅー麺と、目の前の
おじさんのチャーハン。
おじさんのラーメンは出てこない。
いつもラーメンとチャーハンなのだそうだ。

とにかく黒いスープ。
レンゲなどないので、丼を両手で持ち上げスープを飲み込む。

煮干の香りが立つ。旨みは最初してこない。
動物系は、あまり感じないので、ひょっとしたらガラは使っていないかもしれない。
醤油、塩系の尖りはまったくない。
濃い口醤油自身の持つコクと旨み、それと醤油に抽出された出汁。
チャーシューの煮汁の旨みが中心のようだ。
カエシにこれを使っている気がした。
全神経を集中して、味わう。
ここはそういう場所。
単純だが、こういう旨さもあるのだ。

麺は細め微縮れ麺。
加水はやや高め。腰はすばらしく立っていた。

チャーシューは分厚いロース系か?
脂身が片側にへばりついている。
味はご想像にまかせよう。
大きいのが8枚位。
数える気もしなかった。

あっという間に完食。
細かいことは忘れてしまった。

残ったスープを10分位話しながらチビチビ飲んでみる。
だんだん煮干のだしの濃さを感じ始める。
最後は、濃厚だしであったことがわかった。
どうやら、これは無化調に近い。

同行者、
『こんなラーメンを評価する資格があるかな?』と、一言。
いい感性だな。
とにかく気に入ってくれた様子だ。

自分も評価する対象ではないと思った。
少なくても40年以上同じ味。
ただし、煮干の出汁はすごくブレルとのこと。
これは無化調系のせいだと思った。グルでまとめていないのだろう。
感じる方もブレるのだ。

我々との会話の中で何回『うまい』と言う言葉が聞こえたことか。
チャーハンの写真も撮っていいよと、笑ってくれるおじさん。

ラーメン屋さんは星の数ほどある。
脚光を浴びるのは有名店の一部。
日本のラーメンを支える大多数は、RDBでは、普通のラーメン。
評価は良くても『普通にうまい』。

何度も書いたが、ラーメンのうまさは、それほど驚くほどのものではない。
本当にうまいのはどういうラーメンであろうか。
自分はそこそこ旨いのが、一番自分に合うラーメンらしくて好きだ。
シンプルなものは尚魅かれる。

普通であり続ける偉大さ。
普通のラーメンが、多くの日本人を支えてきた。
長い歴史を持つその店の普通のラーメン。

『このラーメンしか食べないんだ、うまいだろう。でも煮干が強過ぎる
ことがあるんだよ。しょっぱくないんだよ』、と真剣に話してくれる人がいるラーメン。この人、チャーハンに途中で醤油をタップリかけていた。
やるね。通だよ。

このラーメン、自分の前で燦然と輝いていた。

山梨のラーメン屋さんのおばさんは、うんと昔から素っ気無い。
山梨に来た気がする。

扉を開け、外に出る。
夜道を下る。
この景色は一度見た気がする。
40年前もこんな気持ちだった。

投稿 | コメント (21) | このお店へのレビュー: 10件

コメント

どもです!

いやぁ~こういった店好きですが
なかなか都内じゃ味わえないですよねぇ~

>を出し、厨房に『先に飲んでるよ』と伝える。
>今日始めてのビール。グラスに注ぐ充実感。
>ああ・・こういう食堂が自分に一番合ってるな。
=>あぁぁ~ こういった食堂に逝ってみたいwww


>ラーメン、450円。
>ちょっと前まで、350円だった、と残念そうだ。
>40年前は40円で、そのころから、とにかくここのラーメンだそうだ。
=>現在の値段も素晴らしいですが、
  ちょっと前まで350円ですかぁ~。
  値段では表せない、よさはやはり実際逝ってみて体感したいですよぉ~

YMK | 2009年9月1日 09:11

おはです。

>西部劇で、知らない町の酒場に入った時のような光景。
>何も起きない。

保安官は入ってこなかったんですね(^◇^)

こういう雰囲気のお店は大好きです。
近所にもこういう店がありますが、落ち着きます。
ふつうに旨いラーメン。
これがなくなったら、恐らくラーメンってつまらないですよね。

たっくん | 2009年9月1日 09:19

イイですねぇ~

自分も地方でこの手のお店を見つけると

たまらなく嬉しくなります。

RDBには載らないお店!

イイですねぇ~

あかいら! | 2009年9月1日 09:41

こんにちは♪
個人の嗜好として味はいま一つだけど口に合うもの、美味しいけど口に合わないものってありますよね???
それぞれが好きな一杯は他人には評価されにくいのかもしれません

&Y1C | 2009年9月1日 10:05

お世話になりました^^
コメントしてしまってすみません(笑)

うはぁ、参りました。
昨日は疲れて寝てしまいましたが、もう私に書けることはないみたいです。

個人的においしさは成分だけでは片付けられません。
やはり味わうのは舌だけではありません。
それができれば一番おいしいラーメンを出すのは化学者かもしれません。
もちろん味がとてつもなく良かったときもありますが、そうでなくても大満足のときも沢山ありました。
私は味だけを求めているわけではないみたいです。

今回の場合も変な話あのおじさんがいらっしゃらなかっただけでまた少し印象は変わると思います。
一人で行っただけでも随分と印象が違うと思いますが、一人で行ってないので書けません。

目で見て心で感じてそして舌で味わって総じて「おいしい」
そんな評価がRDBでは許されるのか、これが採点するときにとても悩むことがあります。
見方によっては両方正しいと思います。
ここ最近はほぼ客観的な目線寄りで点数をつけてきました。
しかしあのおじさんの表情を思い浮かべると今回はとてもそんな採点できませ~ん・゚・(ノД`;)・゚・
しかししかし傍からみればなんじゃそりゃ、なのも明らかです。

あ、もちろん味もとってもよかったですよ(笑)

| 2009年9月1日 12:27

どうもです!

昭和を感じてしまいます。
たばこの煙の漂う店内で一杯やって〆にラーメン!格好いいです。
地元のおじさんの存在もお店の雰囲気を盛り上げてくれていそうです!
地元に愛されているお店なんだなぁって感じます。

詩人KMさんに敬意を表しポチっと。

てつ | 2009年9月1日 15:06

こんにちは
40数年前、ラーメンはメニューの片隅で35円だった事を覚えています
まだラーメンが確固たる地位を築いていない時代
夜食やおやつといった立場だったように記憶しています
ふとそんな時代を思い出してしまいました、、、

B級グルメ | 2009年9月1日 17:06

◆YMKさん
コメントありがとうございます。

こういう店お好きですか。
自分はダイスキです。
そこで毎週のように出かけています。

このような店ではまずビールですね。
食欲も出ます。

こちらは意外と近いです。
上野原も近いですよ。

◆たっくんへ
コメントありがとうございます。

荒野の用心棒のつもりでした。
やはりお好きのようですね。
落ち着いてビールが飲めるのがいいですね。

難しいこともありません。
ラーメンはこういうのもいいです。
奥が深いところですね。
だから止められません。

KM | 2009年9月1日 18:58

◆あかいら!さん
コメントありがとうございます。

H.Nameを変えられていたのですね。

よく仙台に行かれたりしますね。
こういうお店には慣れているのですね。

隠れた地元の名店のようです。
コロッケでもツマミにして、最後にラーメンですね。

◆&ゆいさん
コメントありがとうございます。

嗜好は人によって違うのがいいのですね。
だからRDBも成り立つようです。
皆同じでは存在価値がないです。

人に分かってもらえなくても、自分が好きなラーメン。
そういうのがなんとも大事です。

KM | 2009年9月1日 19:04

◆ドットさん(・)
コメントしてくれましたね(笑)。

そんな事を言わないで、書いてください。
特にラーメンのところは、お願いします。
どのように書いてくれるのか、楽しみです。

>私は味だけを求めているわけではないみたいです。

これは味覚ということですね。

>目で見て心で感じてそして舌で味わって総じて「おいしい」

町田のご隠居も言ってますが、味わうとは総合的な人間活動、
生き方そのもです。
食べる前のアプローチ、食べているとき感じたすべて、
そして、何十年たっても味を決める要素はあります。

大事なのは味ではなく、味わう活動なのです。
いかに同じものを、味わうことができるか、がテーマです。
味覚は頭で感じているのですから、外的要因に左右されます。

このコメントに書いて下さったことをテーマにして書いて
くださればよいのではないでしょうか。

味覚だけの話しより味わいのあるものだと思います。

KM | 2009年9月1日 19:41

◆てつさん
コメントありがとうございます。

>昭和を感じてしまいます。

まさにそのような体験でした。
鳥沢は谷間にある町で、山の中です。
両側は山で狭いところです。
こちらは、皆さんの宴会場のようですね。

昔に戻った気がして、うれしかったです。

味はいいですよ。

投票ありがとうございます。

◆B級グルメさん
コメントありがとうございます。

>40数年前、ラーメンはメニューの片隅で35円だった事を覚えています

相当古いですね。
懐かしい時代です。
当時のラーメンの出汁は薄かったですね。
味の素はなんにでも入れてましたね。

そういう意味では、こちらは洗練された部分あります。
無化調的で、チャーシューは十分通用する出来栄えです。
麺もいいですよ。

コロッケでも食べに行きましょうか?

KM | 2009年9月1日 19:50

煮干の香りが立つ ←これはヤバそ〜!好きかもしれない♪

今回も山梨までラーメンの旅に行ってる気分がしました♪
素っ気ないおばさんもラーメンの\"味\"のウチなんでしょうね☆

バイブスマン♪ | 2009年9月1日 21:43

KMさん採点ありがとうございました。
自分でオススメしておいて同行できなくてすみません。
でも満足していただいて何よりでした。

そのお店の魅力を発見し面白く紹介する力は流石ですね。
「喜楽」の由来は「気楽」からきているような気がレビューを読んでいて感じました。

ところでコロッケなのですが、先日訪問した際にメニューを撮影したのですがありません。
裏メニューなのでしょうかね?
次に訪問したら確認しておきます。

しかし暖簾が出ていないのに、ひるまずに訪問して食べてしまうとは、
天下御免のご隠居さま御一行でした、次は食いしん坊のハチベエもお供いたします^^(笑)

道楽 | 2009年9月2日 01:33

◆バイブスマン♪さん
コメントありがとうございます。

煮干がお好きですか。
それならOKだと思います。
動物系はあまり主張してませんので、素直に味わえます。

ほぼ連続で4回目でした。

また今日出かけます。

◆食道楽さん
コメントありがとうございます。

良いお店を教えていただきました。
ここにしかないであろう、という良さがあります。
またゆっくり行きたくなりました。

コロッケは無かったですか。
チャーシューの単品はあるようですよ。
自分でダブルにできます(笑)。
やはりここではまずビールですね。

いろいろお世話様でした。

KM | 2009年9月2日 05:23

KMさん、こんばんは~
こんなことになっていたなんて・・・
行っておけばよかったです^^
点数のことを言うのも無粋ですが山梨の中では一番高いんじゃないでしょうか。
準無化調みたいなかんじですかね。
ブレてもいいからこのままでやっていただきたいです。

すみごん | 2009年9月2日 22:01

こんばんは~。

タバコはちょっと厳しいですが、それ以外のお店の雰囲気、いいですね~♪
時間がゆる~く過ぎている様です。

チャーハンに醤油、ワタクシもシャバシャバ掛けちゃうクチです (*^m^*)

プリティ | 2009年9月2日 22:19

◆すみごんさん
コメントありがとうございます。

すごく貴重な体験でした。
食べ歩きの醍醐味を満喫しました。
今度行きましょう。

昨日また行ったので、そこでも書きますが、
準無化調でした。
ブレはありませんでしたよ(笑)。

点数は他の方の点数が信頼できますのでそちらを
参考にしてください。

極少数のマニア向けの点数です(笑)。

◆プリティさん
コメントありがとうございます。

宴会のタバコは健在でした。
久しぶりの煙でしたね。
昨日も生きましたが、空気は澄んで綺麗でした。

醤油をご飯にかけるとおいしいですね。
ましてチャーハンは味があるので、そこにかけるのが
贅沢なのです。
これは、旧日本人の食べ方です。

自分はかけませんが、醤油の香りがしてくるようです。

KM | 2009年9月3日 06:24

KMさん、こんばんは~
ぜひご一緒させてください^^

>極少数のマニア向けの点数です(笑)。
じゃあぼくにぴったりです。こう見えてけっこうマニアなんです^^

すみごん | 2009年9月3日 19:04

◆すみごんさん
こんにちは。

今度行きましょうね。
10月過ぎの秋に行ってみたいです。

また面白いところを探しておいてくださいね。

KM | 2009年9月4日 07:00

どうもです!!
なんだかとってもノスタルジックな雰囲気のお店が恋しくなってきちゃいました!!
う~ん、黒いスープの一杯が食べたいなぁと(笑)
とっても楽しそうなお店ですね!!

| 2009年9月7日 21:36

◆泉さん
コメントありがとうございます。

時間が許されれば、ご一緒にこういうところで飲みながら
お話でもしだいですね。
そうそう、奥様も一緒でないとまずいですね。

いずれにしても、ゆっくりお会いしたいところです。

KM | 2009年9月8日 07:16